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ピカイチ君
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ほとんど毎週会うようになったピカイチ君とのセックスに僕は夢中だった。 何をさしおいても彼にイカされたかった。彼によってもたらされる射精は 世の中にこんな凄いものがあるのかと思うほど僕を狂わせた。 きっとあんな体験は彼以外ではもう得られないと確信できる。
大好きな顔立ち、すべすべした肌、程よい太さの腕、厚みのある胸とお尻、 きれいに毛が生えたぶっとい足、なんといっても形の美しい大きなペニス、 完璧な男とセックスできる喜び、僕は彼を自分のものにしたかったし彼のものになりたかった。 ほんの少しだけ香る彼の体臭をいつも感じられるように一緒に住みたかった。
毎週ホテルで盛り合い、僕は必ず彼の精液を飲んだ。幸せだった。 口に注ぎ込まれる大量の精子を一滴もこぼさずに飲み込む。 口に残る雄の匂い、この男は僕のものだと思った。 僕が彼にイカされるときは必ず、もう気絶してしまうんじゃないかと思うほどの 壮絶な悦びを味わった。 イッたあとにあれほどの幸福感を与えてくれる男は後にも先にも彼しかいない。
しかし僕はあまりの絶頂感に満足していたせいで肝心なことを忘れていた。 僕らは付き合ってなどいなかったのだ。セックスすることがデートだと勘違いしていた。 あるとき僕は心の底から好きだと彼に伝えたが 彼に言われた。 「俺のこと何も知らないくせに」 確かに僕が知っているのは彼の名前とメールアドレスだけだった。
僕は、たとえ彼がどんな素性であろうとも受け入れる覚悟で告白したつもりだった。 でも彼は僕を受け入れてはくれなかった。 僕らは親しくなかったから愛し合えたのかも知れない。 それ以来ピカイチ君からメールの返信がくることはなかった。
ティールームシアターにはもう行けない。 ピカイチ君とハッテン場で会うことがあってはならないからだ。 僕が日本に帰国を決意した最大の理由は、ピカイチ君との別れだった。
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