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クリスマス
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季節をあまり感じさせないサンフランシスコ。
日本のように蒸し暑い夏もなければ、冬は冬で雪が降るほどの寒さになるわけでもない
ここでもクリスマスの時期は華やいだ雰囲気に包まれる。
特に目を見張るのが、個人宅に施される工夫を凝らしたディスプレイだ。
大掛かりなものになるとクレーン車をレンタルしてきて
家一軒丸ごと変身させてしまう気合いの入れようだ。
だいたいはそのような手間と大きな予算をつぎ込むのは
金持ちのゲイのカップルが住んでいる家が多い。
趣味がいいか悪いかは別として、妙に緻密な計画と壮大なエネルギーを感じる。
毎年のことだからそういったお宅は名物になっていて、
それらを見て回るツアーさえ存在する。
クリスマスに限らず季節や機会をとことん楽しもうとするそのバイタリティーは
大いに参考にし応用すべきと思う。
サンフランシスコに住んでいてこの時期強く感じることは、
帰る故郷がない人が実に多いということ。
両親が離婚していて、それぞれが再婚して新しい家庭を持っていたりすれば、
子供達には帰る家がないのだ。
僕も含めて様々な事情でここサンフランシスコに吹き溜まっている人間にとって
クリスマスは本当は複雑な想いを抱かざるを得ない季節といえる。
幸いなことに、ここはいろいろな人種で構成されていて、
旧暦の正月を一年で一番大きなイベントとしている中華街はクリスマスなど関係なく、
どこも平常通り営業しているし、ユダヤ教の人たちにもクリスマスは無縁だ。
ティールームシアターは一年を通して３６５日開いているから人恋しい人たちに優しい。
つかの間のなぐさみをその都度見つけ、楽しもうとするサンフランシスコの人たちを見て、
僕は成熟した中にもいい意味で子供心をなくしていない理想の大人像を見るような気がする。
Very Merry Christmas to you all.
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